低濃度アトロピン点眼
ごく薄い濃度のアトロピンを就寝前に点眼することで、眼軸の伸びをゆるやかにする効果が報告されています。
副作用も少ない治療です。
小児近視抑制治療について
お子さまの近視は、単にメガネで矯正するだけでなく、進行を抑えることがとても大切です。
近視は「眼軸（眼の奥行き）」が伸びていくことで進行し、眼が大きくなるほど将来的に網膜剥離・黄斑変性・緑内障などのリスクが高くなることがわかっています。
当院では、近視の進行をできるだけ抑えるために、科学的根拠に基づいた治療を行っております。
治療効果は、定期的に眼軸長（眼の奥行き）を測定しながらモニタリングし、個々のお子さまに最適な治療を選択します。
主な近視抑制治療法
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多焦点・特殊設計のコンタクトレンズ
焦点深度を広げる特殊な光学設計により、自然な見え方を保ちながら眼軸の過剰な伸展を抑制します。
当院では、EDOF（Extended Depth of Focus：拡張焦点深度）設計の多焦点ソフトコンタクトレンズを採用しています。 -
オルソケラトロジー（ナイトレンズ）
夜間に専用のハードコンタクトレンズを装用し、角膜の形を一時的に整えることで、日中は裸眼で過ごせるようにする治療法です。
近視矯正効果に加えて、眼軸伸展の抑制効果も期待されています。 -
レッドライト治療
レッドライト（赤色光）治療は、近視抑制の新しいアプローチとして注目されています。
ただし、現時点では長期的な安全性や効果の検証が十分ではないため、当院では現段階では導入しておりません。
今後の研究結果を慎重に見守りつつ、より信頼できる治療が確立され次第、導入を検討します。
院長メッセージ
近視は「生活の中で避けられないもの」と思われがちですが、最近の研究では、早期に介入することで進行を抑えることが可能であることがわかってきています。
特にご家系的に強度近視の場合（お父さま、お母さまのどちらか、あるいはお二人ともが、コンタクトレンズで表記されているマイナス6D以上のレンズを使用されている場合）は、早期より抑制治療を始められることによって、少しでもお子さまの将来の目の疾患リスクを下げることに効果的だと考えられます。
ここ数年の近視抑制治療の発展は目を見張るものがあり、2026年には新たに近視抑制に有効とされる多焦点ソフトコンタクトレンズの承認が下りる予定です。またシンガポールなど近視抑制治療が日本より普及している国で多くのお子さまが使用している特殊眼鏡も、日本に入ってくる予定です。
単に視力を矯正するだけでなく、近視抑制は、お子さまが中高年以降に緑内障をはじめとする目の病気になるリスクを下げる治療とも考えられます。
お子さま一人ひとりの眼の状態や生活環境に合わせて、最適な治療を一緒に考えていきましょう。
2025年秋 院長 波田道子
近視抑制治療
わが子に"ピッタリ"を見つけたい！
こどもの近視の進行やリスクを早期に発見して適切な治療を受けていただくために、まずはご予約の上で検査が必要です。
検査結果をもとに最適な治療法をご提案し、選んでいただきます。
検査
| 視力検査 | 遠く・近くの見え方を調べます |
|---|---|
| 屈折検査 | 近視や遠視、乱視の有無と度数を測定します |
| 眼軸長測定 | 眼球の長さを測り、近視進行リスクを評価します |
| 眼底検査 | 眼の奥の状態をチェックし、異常がないか確認します |
| 角膜形状解析 | 角膜の形によって治療法が変わる場合があります |
低濃度アトロピン点眼
点眼薬のみご希望の方。当日お薬の処方が可能で、同日から治療を開始できます。
オルソケラトロジー
後日、適合検査に来院していただきます。
多焦点コンタクトレンズ
後日、初回の処方と装着練習が必要です。
診察・検査費用：6,600円
近視抑制治療に関するご質問は、
診察時またはお電話で
お気軽にお問い合わせください。
